きものみこ

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箱根三社参り〜濃霧を歩く

箱根三社参りのつづきです。

箱根三社参り〜思い立ちて

箱根三社参り〜箱根神社

 

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◉参拝ルートを計画    

 お休み処権現からめもちで一服しながら、さて、どうしようかなと考えていました。

今まで行ったことがあるのは箱根神社と九頭龍神社のみ。箱根三社参りをするとなると、箱根元宮(はこねもとつみや)は初めて行くことになります。位置的に言えば、箱根神社と九頭龍神社が芦ノ湖沿いに直線でつなぐと、箱根元宮はその中間にあり、山の上。三点を結ぶと三角形になり、箱根神社と九頭龍神社を結ぶ線を三角形の底辺とすると、箱根元宮は三角形の頂点にあり、山なので立体的にも頂点にあります。箱根神社から九頭龍神社まで歩けなくはない距離にあって時間にして1時間くらい。その中間地点にプリンスホテルと箱根園があります。箱根園から箱根元宮へ行くロープウェイが出ています。プリンスホテルまで行ければ、レンタル自転車があることを知っていたので、30分歩いて、そこからレンタル自転車、戻ってきて、ロープウェイで箱根元宮が良いかなと考えました。距離的に遠い九頭龍神社を参拝してからの方が安心ではないか?という気持ちの方が強かったのです。とりあえず、歩いてプリンスホテル・箱根園方面へ歩こうと決めて、お店を後にしました。

 矢立杉がある場所から続く階段を降りていくと、大きな大きな鳥居”平和鳥居”があります。ここで写真を撮る人も多くて、わたしもいつかKimono Travelerで来れたらいいな♪なんて想像しました。さて、出発です。

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◉濃霧の中で     

 車が通る大きな道を傘を差して歩き始めました。でも歩道がないのです。目の前は霧で真っ白。”歩いて行けるって巫女さんが言っていたから、この道であっているはず・・・”と思いつつ、すぐに不安になり始めました。歩道がなさすぎて・・・。10時を回って、車通りも多くなっていました。直線でも車が通ると近すぎて怖い。カーブがあるところは、もっと怖い。視界が悪い上に、カーブでは人が歩いていることがもっとわかりずらい。”もしや、人が歩いているなんて思わない道だったりする?!?”と、かなり気をつけてゆっくり歩きました。カーブの近くに来ると、音に耳を澄ませて、いったん立ち止まるくらい注意深く歩きました。今朝の箱根神社まで辿りつくよりも、もっと長い距離と時間に神経と体力を使っていました。”道は一つしかないからこれで良いはず”と思っても、間違った道を歩いているような気がしてならず、不安が常に付きまといました。

 ランニングをしているおじさんが通りかかって、”この辺りを知っていそう!”と思い、声を掛けたのですが無視されてしまいました。”聞こえてないのかも!”と思って、後を付いてわたしも小走りしながら何度も声をかけました。すると、ようやく振り向いてくれて聞いたのですが、地元の人ではないのか、「あの建物の中の人に聞いてみたら?」とか言う。”建物に人の気配ないですけど!”とわたしは思う。知りたいことは聞けない、無理だなと感じました。”ランニングの邪魔をしてごめんなさい”と思いながら、「ありがとうございます」と言って引き下がりました。”とにかく、こんな歩道のない場所でもランニングしている人がいて、その先を走って行くということは、きっと大丈夫”と思い直して自分のペースで歩き始めました。

 何度も車が通る度に”怖い!”と思いました。途中、プリンスホテルと間違えて、建物が立っていた敷地に入っていきました。でも、”何かが違う”と感じて、知っている記臆が信号を送ってくれたので、そこから引き返しました。あとどれくらいで着くのか、先が見えないことがこんなに神経をすり減らすことを身に沁みて知りました。盲目の人はもっと怖い世界なのだろうなとぼんやり思いました。

 どれだけ歩いたのか、どれほど時間が経ったのかわからず歩き続けて「龍宮殿」の看板が見えた時はホッとしました。「龍宮殿」は箱根園のすぐ側にあるホテル。ということは、わたしの記憶にあるプリンスホテルがすぐ近くであるということ。気持ちに張りがでました。隣に大きな駐車場があり、案内人が立っていました。わたしは一度通り過ごしたのですが、50メートル程進んで、”やっぱりあの人に聞こう!”と思い、戻りました。箱根神社で巫女さんからいただいていた大雑把な地図を広げて、今の位置確認と、九頭龍神社に行くのにプリンスホテルはこの道であっているのか、箱根元宮へ行くのにロープウェーは動いているのか等を聞いていました。「もう、目の前ですよ」と教えてくださるのですが、なんせ濃い霧で少し先が見えず、そんな建物がその先にあるのかと思ってしまうし、距離感がつかめません。駐車場にいた案内人のおじさんがお地蔵さんのようにやさしい笑顔で親切に教えてくれたのは、ロープウェーは今なら動いていること。天候によってはロープウェーはいつ止まるかわからないこと。今日は箱根元宮に神官さんがいらっしゃる日なのでご朱印をいただけるということ。そして、月に4日しか箱根元宮には神官さんがいないということをここで教えてもらい、それ以外の日は行ってもご朱印をいただけないということがわかりました。”これはチャンス!”と思いました。九頭龍神社へ行く前に、箱根元宮へ行くことに予定変更です。案内人のおじさんは不安がるわたしを安心させるような笑顔でロープウェーまでの道をまた親切丁寧に教えてくれました。わたしは心から感謝してお礼を言って、ロープウェーへ向かいました。

 

◉ロープウェーに乗る  

案内人のおじさんのおかげで、すんなりと安心してロープウェー乗り場まで到着。チケット販売のお姉さんから往復券を購入しました。箱根元宮へ行くのは初めてのことだったので、お姉さんに箱根元宮までの距離を聞きました。親切に教えてくれたのは、今、山の上は風が強くて、被っている帽子も飛ばされてしまうかもしれないということ。乗り場から箱根元宮までは7〜8分あり、少し距離があるということ。ロープウェーは5分後くらいにちょうど出発するということ。20分に1本の運行だったので、ロープウェーが出た後だったならば、20分待たねばなりませんでした。ちょうど出るタイミングで運が良かったです!歩き続けていたので、5分の待ち時間は座って休んで整える時間にも良かったです。箱根神社で汲んでいた龍神水を飲みながら一息つけました。

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ロープウェーに乗り込み、山頂へ向かって動きだしたロープウェーから外を見ても真っ白!景色も何も見えません。お姉さんが教えてくれた通り、山頂に近づくにつれて風が強くなっていきました。ロープウェーも風で揺れました。7〜8分で山頂に着き、ドアが開くと、風と雨が吹き込んできて、少し足を踏ん張って出ました。ロープウェー乗り場の建物の中から外を見ると”・・・これは・・・”と、出るのに勇気がいるなと思いました。真っ白で先が見えない、風と雨。一緒に乗ってきた人も外に出るのをたじろいで直ぐに向かおうとする人がいませんでした。ここまで来て参拝しないわけにはいきません。わたしはカッパのボタンをきちんと合わせ、外にあった看板地図で位置を確認し、ご朱印目指して一番に歩いて行きました。傘を差したら一瞬で風でひっくり返りました。”カッパがあって良かった!!”と思いました。傘は使い物にならないので、畳んで手に持って歩きました。地図を確認したものの、山頂はもっと濃い霧で本当に何も見えません。

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一箇所、道を間違えないように気をつける広場があって、そこで地図ではない看板を見つけて、たぶん、感覚的にはこちらの方角のはず・・・と立ち止まっていると、後ろから追いついてきた女性と確認し、その道を行くことにしました。

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どんどん先を進んで見えなくなっていく女性。

しばらくすると、鳥居が見えました。この道で合っていたんだと、安心しました。晴れていれば、この鳥居から直ぐの所に本殿が見えていたのでしょうが、写真を撮っても、ぼんやりと浮かび上がるような鳥居しか撮れません。カッパを着ていたけれど、顔はびしょ濡れでした。

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まだ、つづきます。

 

ロープウェーをご利用の際はこちらのサイトを参考に→駒ケ岳ロープウェー