シンギュラリティとウェルビーイング③
続きです。
ようやく講話の記事です。改めまして、内容を記述。
「テクノロジーと身体性を再接続せよ!
ーシンギュラリティ時代の人間のウェルビーイングとは?ー」
スピーカー : NHK出版 編集長 松島倫明氏
※シンギュラリティーは人工知能AIが人間の知能を超える技術的特異点のことです。
※ウェルビーイイングについてはこちらを参照
《シンギュラリティに関してのメモ》
・そもそも、人間が知性の基準なのか?
・違う知性とコミュニケーションできることが次のフェーズに進むことができるのでは?
・AIと人間が将棋で勝負をした時、AIが勝負に勝ったけれど、実は人間とAIのタッグが一番強い。
・わたしたちはテクノロジーと競争をしているわけではない。AIとどうやったら一緒に仕事ができるかを考えることが大事。
・AIに仕事が奪われると言われているが、奪われるわけではない。人間がどの部分をやりたいのかが大切で、それを考えるのは人間が決めること、決めることができること。
・人間とAIは共進化する。
・テクニウム、つまり生物と同じ進化を辿っている。
・地球規模のネットワークが形成され、1日1,000億回クリックの情報交換がされている。
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海外からの翻訳版権を持ち、多くの本を日本で出版されてきた松島さんのお話はシンギュラリティに関することだけでも、とても多く、そして深い。
スクリーンに映った写真の一つに馬だったと思うのですが…動物に手綱を付けて伴走する人間の組み合わせが3組。
その写真を見ながら、これはどのように見えますか?と。AIが人間を引っ張って走っているのか、人間がAIを手綱でコントロールしているのか、はたまた、互いが助けあって走っているのか、どう思われますか?と。
わたしはシンギュラリティ時代の未来を考えた時にコンピュータに使われるのが人間ではなく、コンピュータを使うのが人間である、そうあるんだ、そうありたい!と思いました。そのためには、感性や五感を大切にすることを思いました。
その後のVR(virtual reality)の現在に触れたり、知る機会があると、少し考えが変わってきていて、松島さんのおっしゃる共進化の感覚が大切だと思っています。そして意思決定はやはり人間だと思います。
人間がコンピュータに使われることがあるとしたら、AIが作り上げる機能や便利さに依存して、人間が堕落してしまうことです。そう思うのは、便利になった世の中ですが、便利ゆえに衰えたものもあると思うからです。
人間ができることは何かとか、無条件に時間が出来た時に何をしたいかってことを考えるとか、本当に重要になってくると思うのです。どんな未来を描きたいのか、描くのか、意識や意思が本当に大切になってくると思うのです。
一人ひとりの力というのは思っている以上に大きいと思っています。だからこそ、日々の生活を丁寧に生きること、未来を思い描いて心から望むことを選択していくことは、皆で未来を創っていることと同じことなのだと思うのです。たとえば急に社会が激変して、今までやっていたことはもうこちらでやるから、好きなことをやっていいよって言われても、どうしたらいいのかわからない人は多いと思います。だから夢をたくさん持っていた方がいい。実現するためにどうしたらいいのだろうと考えるではないですか。集団の枠、社会の枠の中で心地が悪くてハミ出てきたようなわたしですけど、枠の中で考えようとすると窮屈で、むしろそんな枠の中で考えなくても良いではないかと思ってしまうのです。なければ作る。そんな風にして様々な在り方があって良いと思うのです。
そして、たとえ地味でも日々の生活の積み重ねがどれだけ大きく未来に影響することだろうと思います。大きなことでなくていい、自分サイズでいいと思います。むしろ自分サイズがいい。自分サイズで日々愛おしむことを全ての人がしたら・・・この地球に張り巡られた磁波によって地球は発光するのではないかと思ってしまいます。(ちょっとヴィジョンが飛躍しすぎました。でも、そんなイメージを持ちます)
◉最後まで残る人間らしさとは?
事前に松島さんからの質問があり、参加者は提出することになっていました。それは、「テクノロジーが高度に発達した未来に、最後まで私たちの側に残る『人間らしさ』とは何だと思いますか?」という問いです。
130以上の回答があり、松島さんによって分類されたのは6種類。
・感情
・体、子孫、死
・非合理、ひらめき、創造性
・つながり、共感
・残らない、なし
・その他
全ての人の回答が書かれた紙が配布されたのですが、読んでいてもとても面白いです。そして、結果多かったのは感情に関するものでした。「人間らしさ」は感情だと。心が感じて生み出されるエネルギー。わたしも一番最初にシンギュラリティを知った時は五感や感性の部分を思いましたし、多くの人がやはり感情面や心といった部分を答えるように思う。
◉本の紹介
AIのシンギュラリティの時代において重要なものは「人間らしさ」。人間らしさに取り組むとするならば、どういったものがあるのか、本の紹介も交えてお話しがありました。
GO WILD 野生の体を取り戻せ! 科学が教えるトレイルラン、低炭水化物食、マインドフルネス
- 作者: ジョンJ.レイティ,リチャード・マニング,野中香方子
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2014/12/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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低炭水化物食を摂る、裸足でのランニングのトレイルラン、瞑想などによるマインドフルネスで本来の人間らしさを取り戻すことについての本のようです。
BORN TO RUN 走るために生まれた ウルトラランナーVS人類最強の“走る民族"
- 作者: クリストファー・マクドゥーガル,近藤隆文
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2010/02/25
- メディア: 単行本
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本来の「走り」は、ある地点から変わってしまったそうです。「走る」ことは、生きるために必要な要素が備わっていたと。うる覚えですが、こちらの本の紹介もありました。
脳を鍛えるには運動しかない! 最新科学でわかった脳細胞の増やし方
- 作者: ジョン J.レイティ,エリックヘイガーマン,John J. Ratey,Eric Hagerman,野中香方子
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2009/03/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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授業を受ける前の授業としてランニングを取り入れたクラスとそうでないクラスとで学習能力に大きな差が出たそうです。運動をすることで脳に酸素が運ばれ、活性化させた結果というわけです。身体能力が高い方が幸福感は得やすいだろうなと思いました。わたしも虚弱な体質から少しずつ改善してきましたが、健康が心に与える影響は大きいですよね。
NATURE FIX 自然が最高の脳をつくる―最新科学でわかった創造性と幸福感の高め方
- 作者: フローレンス・ウィリアムズ,栗木さつき,森嶋マリ
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2017/07/25
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自然の中にいると脳が活性化するという話。自然豊かな環境にいる人とそうでない人でも、やはり脳の活性化度合いというものは違うとのこと。自然がわたしたちに与えてくれているものは計り知れません。
限界費用ゼロ社会 〈モノのインターネット〉と共有型経済の台頭
- 作者: ジェレミー・リフキン,柴田裕之
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2015/10/27
- メディア: 単行本
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稼ぐために働かない時代が本当にやってくることを感じさせる本。
情報、テクノロジー、運輸の3つがフリー、ゼロになると、限界費用ゼロ社会が生まれる。IoT(Internet of Things)によって、そういった社会が現実的になっていることが書かれているようです。
- 作者: レイチェル・ボッツマン,ルー・ロジャース,小林弘人,関美和
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2010/12/16
- メディア: ハードカバー
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シェアビジネスとしてわたしが思い浮かべるのはAirbnbやUberです。既に世界中で広がっているのは、次の時代の準備のように思えます。
隷属なき道 AIとの競争に勝つベーシックインカムと一日三時間労働
- 作者: ルトガーブレグマン,野中香方子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2017/05/25
- メディア: 単行本
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ベーシックインカムは500年前のイギリス哲学者が提唱したものだそうです。生きるために最低限必要なお金は支給し、貧困をなくすもの。実際に実験もされていたそうですが、そのまま埋もれてしまったようです。近年、その埋もれていた実験を見つけて分析した人によって実験は大成功していたことがわかったそうです。”ベーシックインカム”という言葉が最近わたしの周りでも見るようになりました。週15時間程度の労働で生活に必要最低限お金が支給された場合、本当に時間は有り余るほどできます。今2017年ですが、20年足らずでそれはやってくるという話でした。日本でもそういった動きになった場合、働き蟻の日本人はどういう行動をとっていくのだろう。
あなたが世界のためにできる たったひとつのこと 〈効果的な利他主義〉のすすめ
- 作者: ピーター・シンガー,関美和
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2015/12/19
- メディア: 単行本
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こちらの本の紹介もありました。備忘録的に貼り付けておこうと思います。
社会で既に実現している、実現可能とされているものだそうです。
◉まとめ
上記で紹介された本を手がけてきた松島さんは、こう言います。
・最後まで残す人間らしさは何か?一つひとつ考えて選んでいくことが大事だと思う。
・いつまで人間は創造していけるのか?
・今話題の言葉「忖度力(そんたくりょく)」とか思いやりとかは人類の最強ではないかと思う。
・AIは意識を持たない、持つのは知識。
・人間が持つもの「意識」「自意識」といったものは今後のテーマだと思う。
◉心の叫び
松島さんのお話はとても有意義なものでした。シンギュラリティ、そして五感、感性を豊かにすることの核心。きものがわたしに与えられた五感や感性を豊かにすることの自覚。
SEから「きもの」への移行は、曲がりくねりっぱなしの人生の中で今また大きくつながっていくものを感じました。
この数年は特に感性を豊かにするものに意識が向いて取り組んでいるわたしがいます。
感じ取って取り組んできたもの、これまでの取り組み、流れをつなげていく、形にするということを考えると、わたしにはKimono Travelerとして作品を作る以外思い浮かびません。
大げさかもしれませんが、魂がKimono Travelerをしたい!!!と叫んでいるのです。
想いが溢れすぎて、この講話があったその日、もう数十分で日付けが変わる頃、FBでつい投稿したのが、その叫びでした。
わたしは自分の魂からの叫びを実現する為に「意識」を向けて取り組んで行きたい。
世界中をきもので旅してKimono Traveler作品集を世界中で出版すること。世界とつながること。大好きな地球とつながること。それがわたしの実現したいことです。